ミュージカル ガールフロムノースカントリー 北国の少女
今月の中旬イギリスの知人を訪ねた時にロンドンのノエルカワード劇場で観たボブディランのミュージカルドラマ「ガール・フロム・ザ・ノースカントリー」を紹介します。
物語の舞台は1934年。大恐慌時代のアメリカミネソタ州ダルースにある破たん寸前のゲストハウス。
経営者のニック(キーランハインズ)は痴呆症の妻エリザベス(シャーリー・ヘンダーソン)と2人の子供と共に暮らしています。作家志望で酒浸りの息子に将来の希望は見えず、父親不明の子を身籠った養女のマリアンヌ(シーラ・アティム)。そして苦しい生活を送るゲストハウスの住人たちとの関係。ゲストハウスに訪れる聖書売りやボクサー。先行きの見えない彼らの物語です。
スタッフ キャスト
脚本:コナー・マクファーソン 作曲:ボブ・ディラン
キャスト:キーラン・ハインズ(裏切りのサーカス ゲームオブスローンズ )シャーリーヘンダーソン( ハリーポッター、 ブリジットジョーンズ )ブロナー・ギャラガー シェイラ・アティム
曲は実際に30年代に使われていた楽器で演奏され、全体にソウルフルでとても美しい曲調になっています。
下の写真は開演前の舞台。
2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブディラン。製作の背景にはボブディラン側から依頼があり、コナー・マクファーソンの脚本のアイディアを気に入って、曲の使用方法にもとても協力的だったそうです。
ボブディランの曲をあまり知らなかった私ですが、代表的な「風に吹かれて」「ライクアローリングストーン」はじめ約20曲古い曲から最近のものまで幅広くカバーされています。曲に馴染みのない人でも自然と楽しめるメロディー。
写真左がエリザベス役のシャーリー・ヘンダーソン。彼女のボーカルと踊りは、あの小柄な身体から驚くほどパワーが溢れていました。舞台ならではの迫力です。「フォーエバーヤング」を熱唱。
そしていちばん感動したのは、シェイラ・アティムの唄うバラード「Tight Connection to my heart」ノックアウトされました。
カバー曲がオリジナルに勝るというのがまさにこの曲。
※ボブディランのオリジナル曲は後で調べたらPVを日本で作成していて、めちゃ80年代の東京がでてきて面白かったです。
このミュージカルは昨年の公演でとても良いレビューをもらっていて、今年1月から3月24日まで再上演されています。
追記
2018年のローレンス・オリヴィエ賞 主演女優賞 シャーリー・ヘンダーソン
助演女優賞 シェイラ・アティムが受賞
シェイラ・アティム インタビュー記事→ independent Sheila Atim interview
ノエルカワード劇場
コベントガーデン近くのこじんまりとした劇場。1903年にオープンしたロココ調の内装が趣があります。前進はアルバリー劇場と呼ばれ、2006年に名前が変わりました。シェイクスピア、ディケンズなどの古典や2014年にはフルモンティも期間限定で上演されています。
ロンドンに行く機会のある方に是非オススメします。