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今年一番話題の女優はイギリス人のオリビア・コールマンでしょう。
先日のアカデミー賞で見事主演女優賞を受賞し、何とも彼女らしいスピーチにほっこり。女優然としていない、職場や近所に居そうな親近感のあるキャラクターが魅力で、初めて彼女を知った「ブロードチャーチ」の頃はまさかオスカー女優になるなんて思ってもみなかった(かなり失礼?)けれど、地元イギリスでは数々の賞を獲っている実力派。嬉しかった。
そんな彼女とエマ・ストーンがどんな風に絡んでいくのか楽しみにしていましたが、評判通り主要キャストのエネルギーレベルが凄かった!!女性同志のパワーバランスと見え隠れする人としての様々な一面や女心、野心などが独特なムードのなかで描かれ、見応えたっぷりのブラックコメディーでした。
最強女優の三角関係が凄い !オリジナリティ溢れる人物描写
監督ヨルゴス・ラティムスは歴史ドラマというより、権力者たちの人物像を描きたかったようです。主人公のアン女王(オリヴィア・コールマン)は18世紀初めのイングランド・スコットランド国及びグレート・ブリテン王国の女王。17回妊娠したけれど流産や早産などで成人した子供がいなかったという酷い人生を生きなければいけなかったお方。
そのアン女王を一番近くで支えた側近サラ。宝塚の男役的な凛々しいキャラクターを演じたレイチェル・ワイズも新鮮。そして没落し、サラを頼りに宮廷にやってきた従妹アビゲイル(エマ・ストーン)とのラブトライアングルが一番の見どころ。
歴史ドラマの中の現代性。シュールさブラックさ加減が面白い。
監督ヨルゴス・ランティモスが評価される点は細部へのこだわりとそのオリジナリティ溢れる独特なムード。
宮廷でのダンスシーンやサンディ・パウエルによる衣裳、随所に散りばめられた演出にクスッと笑えることが多く、ただの歴史ドラマではないことに気付く。
また広角レンズを使ったり、自然光にこだわった光の使い方などもオリジナリティを醸し出してました。
去年の「ウィンストン・チャーチル」も光のあて方にこだわった映画だったので、そんな目で見ても
映画のクリエイティビティって様々で面白いなと思います。
衣裳デザイナー、サンディ・パウエルによるコスチューム
よく通っている映画館にコスチュームが展示されていました。アン女王は子供を亡くし、喪に服しているから黒いドレスなのかと思いましたが、それだけではなかったです。
衣裳デザイナーのサンディ・パウエルはデレク・ジャーマンや「恋に落ちたシェイクスピア」「シンデレラ」など数々の映画で活躍するデザイナー。この映画のコスチュームへのこだわりを語った映像がこちら。ドレスは当時のスタイルを再現しながらも、現代の素材を使いチェスの駒のように敢えてモノトーンを使っていたり、男性のファッションにも配色に工夫を凝らしているのが面白い。気づけなかったですが。。
最後に、男性キャストも結構良かったです。
マーク・ゲイティスがちらっと登場していたり、ニコラス・ホルトも本当にイケメンになったなあ、としみじみ。最近「アバウトアボーイ」をネトフリで見たところだったので、改めてその成長ぶりに驚いてしまった。
★★★★☆ このキャストでなかったら見ていたかな??
キャストとスタッフ
2018年 アイルランド・英・米合作監督:ヨルゴス・ランティモス 「ロブスター」「聖なる鹿殺し」
キャスト:オリヴィア・コールマン レイチェル・ワイズ エマ・ストーン ニコラス・ホルト マーク・ゲイティス ジョー・アルウィン