Keep calm and drink tea

好きな海外ドラマ、映画について呟いています。シャーロック、ダウントンアビーファン。サスペンス、歴史ドラマ、ファッションなどイギリス系多い。

カテゴリ: 演劇

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今年のはじまりは初めてのロンドンイマーシブ観劇体験「ジュリアス・シーザー」

ベンウィショーを生で見られる機会だったので、難しそうな話の筋は事前に予習して臨みました。でも、言葉の壁は厚く、長いセリフの言い回しを理解することは出来ず、それよりも、観客が参加する手法と現代服のシェイクスピア劇、そして思ったより至近距離で舞台を見ることができ、息を飲む演技とライブ感に興奮したことだけは覚えていました。

なので、今回少し迷ったけれど字幕で観て、ストーリーがよくわかったし、役者さんたちの表情がさらにズームアップして見ることができ面白かったです。


そうか、そうか、ブルータスとキャシアスって本当にローマ市民のことを思っていて、アンソニーって結局口が上手かったんだ。もともとキャシアスは男性だけれど、ミッシェル・フェアリー演じるキャシアスとベンウィショーのブルータス、この2人の掛け合いが一番惹かれたのは変わらなかったかな。
キャスカ(アジョア・アンドー)のキャラクターも暗殺をそそのかす人物だけどユーモラスで好きでした。

それにしても、シェイクスピア劇ってセリフが長くて言い回しが文学的だな~と思った。
それでも、飽きさせないのは、英語ならではの小気味よいリズム感と役者さんたちの演技の素晴らしさと演出の技なんでしょうね。

今年の締めくくりにNTライブでおさらいでき、ますます観劇の楽しさに引き込まれました。
映画とは違う舞台での演技、来年もまた素敵なドラマに出会えますように。

ブリッジシアターの様子はこちら→
ベンウィショー ジュリアスシーザー ブリッジシアター

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演出家ニコラス・ハイトナーによるイマーシブシアター初体験

ベンウィショーがブルータスを演じる「ジュリアス・シーザー」。会場のブリッジ・シアターは昨年10月オープンの新しい劇場で、ガイドブックやグーグルマップに載ってなく心配しましたが、ロンドン橋のすぐ袂、シティーホールの横にありました。ロンドンブリッジ駅から歩いて15分くらい。

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キャストとプロダクション

演出:ニコラス:ハイトナー   

キャスト:デヴィッド・コールダー Julius ceaser  ミッシェル・フェアリー Cassius 

デヴィッド・モリッシー Anthony   ベン・ウィショー Brutus

               

見どころと感想

チケット予約の時に、舞台を中央にして囲む立ち見席が£25、通常の1階指定座席が£35~で選んだのは1階(実際には舞台より1段上のギャラリー1)の前から2列目で£65でした。至近距離で見れたらと思ったけれど、2時間立ちっぱなしも辛いので、座席で正解。かなり近くに感じました。体力に自信があればピットも間違いなく楽しめると思います。


見どころは何といってもイマーシブシアターと言われる、観客と役者の境界線のない体験型ドラマの臨場感。そして現代版に置き換えられたことでグッと親近感が湧きました。プラカードや衣裳など随所に使われた赤い色が視覚効果あり、縦横無尽に繰り広げられる動きのある舞台演出。そしてキャストの個性がぶつかり合う迫真の演技とライブ感に圧倒されました。


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スタートは前座か?と思わせるバンドの演奏が突然始まり、少なかったピットの観客がどんどん増えていく様子を見ていくうちに、もう始まったということに気付く。上の写真中央の赤い物体を串刺しにしたのが、シーザーの赤いキャップ。スタッフがこの棒を持って会場内を歩き廻り、販売してました。現代版なので、キャストの衣裳も然り。実際にデヴィッド・コールダー演じるシーザーがこのキャップを被り、トランプ批判?でNYで上演中に物議を醸しだしたとか。

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アンソニーもスポーツジャージー姿で熱く観客にアピール。のって、のって~!!観客をローマ市民の群衆に見立てた演出がエキサイティング。残念ながら、ここからは撮影禁止。
シーンごとに次々と舞台装置が入れ替わり、観客を交通整理するスタッフは大変だろうなと思いつつも目で見て楽しめる演出は飽きることなかったです。
そしてお目当てのベンウィショー。誠実な共和主義者のブルータスを熱演。苦悩する表情や口から唾をとばしながら語る姿を真近に見ることができ釘付けでした。エネルギッシュというより内側から滲み出る心の機微みたいなものを演じるのが上手いですね。
そして原作では男性のキャシアス演じるミッシェル・フェアリー。シーザー暗殺の首謀者でブルータスをそそのかし悲劇に導く役どころ。シーザーとキャシアス二人の掛け合いが一番印象に残りました。動と静の静の中の力強さ。
スタートのバンドメンバーもルシアス、オクダヴィアス、トレボニアス演じるキャストでした。

4月15日まで上演中で、政治的なメッセージも含み各誌でレヴューされているようですが、エンターテイメントとしても楽しめるちょっと違ったロンドンでの観劇におすすめです。

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ミュージカル ガールフロムノースカントリー 北国の少女


今月の中旬イギリスの知人を訪ねた時にロンドンのノエルカワード劇場で観たボブディランのミュージカルドラマ「ガール・フロム・ザ・ノースカントリー」を紹介します。

物語の舞台は1934年。大恐慌時代のアメリカミネソタ州ダルースにある破たん寸前のゲストハウス。
経営者のニック(キーランハインズ)は痴呆症の妻エリザベス(シャーリー・ヘンダーソン)と2人の子供と共に暮らしています。作家志望で酒浸りの息子に将来の希望は見えず、父親不明の子を身籠った養女のマリアンヌ(シーラ・アティム)。そして苦しい生活を送るゲストハウスの住人たちとの関係。ゲストハウスに訪れる聖書売りやボクサー。先行きの見えない彼らの物語です。

スタッフ キャスト

脚本:コナー・マクファーソン 
作曲:ボブ・ディラン
キャスト:キーラン・ハインズ(裏切りのサーカス ゲームオブスローンズ )シャーリーヘンダーソン( ハリーポッター、 ブリジットジョーンズ )ブロナー・ギャラガー シェイラ・アティム 

曲は実際に30年代に使われていた楽器で演奏され、全体にソウルフルでとても美しい曲調になっています。

下の写真は開演前の舞台。
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2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブディラン。製作の背景にはボブディラン側から依頼があり、コナー・マクファーソンの脚本のアイディアを気に入って、曲の使用方法にもとても協力的だったそうです。

「girl from the north country musical」の画像検索結果

ボブディランの曲をあまり知らなかった私ですが、代表的な「風に吹かれて」「ライクアローリングストーン」はじめ約20曲古い曲から最近のものまで幅広くカバーされています。曲に馴染みのない人でも自然と楽しめるメロディー。

写真左がエリザベス役のシャーリー・ヘンダーソン。彼女のボーカルと踊りは、あの小柄な身体から驚くほどパワーが溢れていました。舞台ならではの迫力です。「フォーエバーヤング」を熱唱。


そしていちばん感動したのは、シェイラ・アティムの唄うバラード「Tight Connection to my heart」ノックアウトされました。
カバー曲がオリジナルに勝るというのがまさにこの曲。


※ボブディランのオリジナル曲は後で調べたらPVを日本で作成していて、めちゃ80年代の東京がでてきて面白かったです。

このミュージカルは昨年の公演でとても良いレビューをもらっていて、今年1月から3月24日まで再上演されています。

追記

2018年のローレンス・オリヴィエ賞 主演女優賞 シャーリー・ヘンダーソン
助演女優賞 シェイラ・アティムが受賞

シェイラ・アティム インタビュー記事→ independent Sheila Atim interview

ノエルカワード劇場


コベントガーデン近くのこじんまりとした劇場。1903年にオープンしたロココ調の内装が趣があります。前進はアルバリー劇場と呼ばれ、2006年に名前が変わりました。シェイクスピア、ディケンズなどの古典や2014年にはフルモンティも期間限定で上演されています。
ロンドンに行く機会のある方に是非オススメします。

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